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オフィスチェアのよくあるトラブルと修理方法

オフィスチェアのよくあるトラブルと修理方法

リペアマイスターのオフィス家具修理講座①

~よくあるトラブルと対処法は?/修理か購入かの判断基準は?/修理の費用目安は?~

<リペアマイスター 荒島(リスタ大阪ATC店)>

木製家具修理・金属製家具修理などを専門的な学校で学び、リスタでオフィス家具の修理を10年以上担当。一見素人目には直すことができなそうなオフィス家具を新品と見違える状態に直せることも。また、リメイクにより、椅子の背もたれをジーンズに張り替えるなど、中古オフィス家具に新しい価値を付加し、オフィス家具を良い状態で長く使うことを、さまざまな角度から推進している。

リペアマイスターがオフィスチェアの修理のためのポイントを解説します。

  1. オフィスチェアのよくあるトラブルランキング
  2. オフィスチェアの基本構造
  3. オフィスチェアの部品別の寿命
  4. オフィスチェア修理のBefore / After事例
  5. オフィスチェア修理の価格表
  6. オフィスチェアを直すべき?買いなおすべき?の判断基準

(1)オフィスチェアのよくあるトラブルランキング

1位 汚れ/破れ

【汚れ=直しやすい】

汚れについては定期的に早めにクリーニングすることをおすすめします。通常の洗濯物と同じ考えで、汚れは時間が経てば経つほどガンコに、汚れが落ちにくくなります。自分たちのオフィス内でできる簡単な清掃や汚れが付いた際には柔らかい布やスポンジを使って表面の汚れを取ることで汚れを軽減できます。

当社では汚れの内容(埃・カビ・皮脂手垢・油汚れ・血痕など)を確認し、最適な洗浄方法を選択します。主な洗浄方法は、ブラシ清掃、専用薬剤を用いた水洗洗浄などの方法があります。汚れに合わせた洗浄方法を選択することで、より効果的に汚れを除去することができます。また洗浄時にはオフィスチェアへの負担がなるべく小さくなる清掃作業、乾くまでの時間を短縮できるように水量をなるべく減らすように心がけています。

【破れ=やや直しにくい】

最近はあまり見なくなりましたがタバコによる穴あきや背もたれのカド部分の摩耗による破れなどがトラブルの多いパターンです。小さな穴や破れは縫製で対応をしていきます。

破れている範囲が大きな破れの場合(5cm以上)は張替えを行いますが、椅子の構造によっては張替えができない場合もあります。オフィスチェアのメーカーやシリーズによって対応できる範囲が異なるため、修理可能な椅子の構造をしているか事前に確認をしたほうがよいでしょう。

2位 座る部分の弾力がなくなる(ウェービングベルト・ウレタンの劣化)

【ソファの弾力低下=直しやすい】

クッションを支える素材にもSバネ、コイルスプリングなど何種類かありますが、ソファの座面の弾力がなくなり、大きく凹む場合には座面の中でウェービングベルトが切れている可能性が考えられます。原因がウェービングベルトの劣化であれば、ウェービングベルトを張り替えることで元の座り心地を取り戻せます。

【イス=やや直しづらい】

イスの場合の多くはウレタン材の劣化が主な原因です。ウレタン材は5年を経過すると劣化が進んできます。またウレタンは熱に弱く、人の体温でも劣化を早めることがあるといわれています。

ウレタン材の交換には、オフィスチェアの生地部分を剥がしますが、ウレタンと生地を接着しているものもあり、また型を成型しているものは新品と同様には難しくなります。構造により交換が出来るもの、出来ないものがございますので、こちらも破れの対応と同様、オフィスチェアのメーカーやシリーズによって対応できる範囲が異なります。修理可能なものか事前確認をしたほうがよいでしょう。

★ウェービングベルトとは?

糸にゴムを巻いた幅広のベルトです。弾力性が高く、ソファやチェアの内部に格子状に張り巡らせることでクッション性を高めます。比較的低コストで高い効果を得られる為、商業用木製チェアやソファにも使用されているケースが多い構造です。内部構造のため外から劣化が判断しづらいですが、チェアやソファの座面下部が垂れた状態が見受けられることが多々あります。ウェービングベルトが切れている、弛んでいるなどの場合は、張替えなどで比較的修理が可能で、元の座り心地を取り戻せます。

ウェービングベルト

★ウレタンとは?

ウレタンとは、緩衝材の役割を果たす合成樹脂の一種。反発力がゆっくりで、物を包み込むような弾力のモールドウレタン、型を崩しにくく弾力の硬いチップウレタンや、一般的にスポンジと呼ばれるものもウレタンの一種です。作り方により弾力性などの機能性がさまざまに変化します。ウレタンは構造上大切な部品である一方で劣化しやすい消耗品で、劣化が進むとチェアやソファがへたる、堅くなる、割れや分解するなどの症状が起こります。ウレタンは熱に弱く、人体の熱でも劣化が早くなるともいわれています。オフィスチェアやソファの各パーツの中で、もっともはやく耐久年数を迎えるケースが多いパーツ。

ウレタン

3位 肘付きなどの部品不具合

【肘付きなどの部品の不具合=直しやすい】

オフィスチェアの部品による不具合の多くの場合はネジ・ボルトの欠損が主な原因です。ネジやボルトはメーカー純正製品が手に入らない場合でも、メーカー資料や実物のサイズ測定からネジ・ボルトのサイズを見極め、適正なネジ・ボルトを取付け、交換する事でたいていの場合は直ります。またウレタンや革でできた肘部分がテーブルの天板にあたり「欠け」や「えぐれ「が発生した場合はその部分を補修材、充填剤で修理します。

4位 キャスターなどの部品不具合

【キャスターの不具合=やや直しづらい】

キャスター(コマ側)の不具合(回らない、ガタつくなど)はキャスターを交換することで多い修理です。キャスターのサイズは一定の工業規格で製作されていることが多く、差込口のネジや差込棒の径や長さなどサイズ一致するキャスターなどの在庫があれば、比較的修理は容易です。
ただし長くキャスターに不具合を抱えたまま使用し続けていると、キャスターを支える台座が破損している場合もあり、この場合は修復出来ません。

※床材が傷つかないようにキャスター部分にウレタンを巻いたものがある。ウレタン部分の劣化は修理しづらいため、キャスターごとの交換が必要。

5位 イスが下がる、高さ調整が出来ない。

【高さ調整の不具合=直しづらい/直せない】

オフィスチェアの多くは軸足にシリンダーが採用されています。シリンダーのタイプとしては油圧タイプのものとガスタイプがあり、油圧タイプは高額タイプのものに多く採用され、ガスタイプは比較的低価格帯に採用されています。いずれも不良原因は油圧不良、ガス抜けが多く、シリンダーそのものの交換が必要となります。そのため、比較的直しづらい不具合となります。

ガス圧・油圧共に補充はほぼ不可能で、シリンダー本体の交換が不可欠となります。モノにもよりますが、ガスシリンダーの昇降機能は仕組みが簡易な為、シリンダー本体の径が合えば代用が可能な場合もありますが、油圧シリンダーの場合は昇降機能の構造が複雑なものも多く、メーカー、製品の純正品との交換をお勧めします。

よくあるトラブルごとに基本的な修理方針をご紹介しました。実際はトラブルの度合いによっても、対処法が異なってきますので、迷ったらまず修理可能かご相談ください。

(2)オフィスチェアの基本構造

オフィスチェアの修理箇所を把握するために、オフィスチェアの基本構造をしっておくことも重要です。事前に情報を正確に伝えることで、修理が可能か判断がしやすくなります。

もたれ ヘッドレスト ランパーサポート 肘付き 座面 キャスター 調整レバー シリンダー/シリンダーカバー レッグフレーム

1. ヘッドレスト

ヘッドレストは、首と頭を支えるパーツです。長時間の座り仕事になりやすい職種で多く採用されます。ヘッドレストの位置が調整しづらくなるなどの不具合が発生する場合があります。

2. 背もたれ

背もたれは、腰・背中を支える部分です。形状は大きく分けてローバック・ミドルバック・ハイバックに分かれます。ローバックは主に腰から背中の低い部分まで、ミドルバックは腰・背中まで、ハイバックは腰・背中から肩まで、ヘッドレストと融合して首・頭を支えるものまであります。人間の背骨を支えるようにS字カーブにデザインされ、腰や背中の疲労を和らげるためのサポートを提供します。高機能・ハイバックになると、背もたれには通気性の高いメッシュ素材やクッションが使われることもあり、体圧を分散して長時間の作業でも快適に過ごせるように設計されています。

また、角度を調整できるリクライニング機能がある場合が多く、頻度は高くないもののリクライニング機能に不具合が起こる場合もあります。

3. ランバーサポート

ランバーサポートは、腰の部分を支えるためのクッションやパッドのことです。背骨の腰椎部分に適切なサポートを提供し、正しい姿勢を保つための役割を果たします。シンプルな構造のチェアでは、この部分は背もたれと一体になっています。

4. 肘付き(肘掛/肘置/アームレスト)

肘付きは、腕を支える部分で、腕や肩の負担を軽減します。調整機能が付いているアームレストでは、高さや角度を個人の体格や使用環境に合わせて変えることができ、より快適な姿勢で作業を行えます。
稀に肘付きの高さ調整や角度調整ができなくなるなどの不具合が起こる場合もあります。

5. 座面

座面は、身体を直接支える部分です。ウレタン素材でクッション性を高めている場合が多く、ウレタンの劣化がおもな不具合の原因になります。

6. 調整レバー

調整レバーは、オフィスチェアの高さやリクライニングを調整するためのコントロール部分です。部品の欠損や摩耗により、操作性を失うなどの不具合が起こる場合があります。

7. シリンダー/シリンダーカバー

シリンダーは、座面の高さを調整するためのパーツです。ガス圧や油圧を利用して座面を上下させることで、利用者の体格に合わせた高さに簡単に調整することができます。シリンダーカバーは、このシリンダーを覆う部分で、外観を整える役割とともに、シリンダーを保護する役割を持っています。

シリンダーの不具合は部品交換となるケースが多く、メーカーへの取り寄せや在庫が少ない製品の場合は中古品や新品を購入したほうが安くなる場合もあります。

8. レッグフレーム

レッグフレームは、座面を支える脚部の構造です。通常は5本の脚がついたスター型のフレームが多く、チェアの安定性を保つために設計されています。

9. キャスター

キャスターは、チェアの足先に取り付けられた車輪です。チェアをスムーズに移動させるためのパーツで360度回転機能が備わっていることが多いです。

長年使用しているとキャスターの動きがスムーズでなくなったり、ブレーキがきかなくなったりと不具合が生じる場合があります。

オフィスチェアの各パーツは、仕事がしやすい姿勢を維持するために重要な役割を果たしています。使用環境によっても、劣化がしやすいパーツが異なりますので、修理依頼の際はどのような使い方をしていたかをお知らせいただくと、不具合の原因が特定しやすくなります。

(3)オフィスチェアの耐久年数

オフィスチェアはそもそも事務作業用に設計された椅子で、利用者の体格差があっても対応できるように各所に稼働機構を設けた構造になっています。パーツごとにも平均的な耐久寿命があります。気を付けておくべき主な耐久年数は以下の通りです。

座面のウレタン素材

オフィスチェアで最も耐久年数が短いのが座面のウレタン素材で約5~6年が一般的な寿命です。

キャスター/シリンダー

キャスター/シリンダーは約7~8年が一般的です。キャスター/シリンダー部分は部品交換になるケースが多く

オフィスチェアは使用環境にもよりますが、耐久年数の目安は約10年です。そのため、全体として10年は使用できるものの、部品が先に劣化するのが一般的です。10年以内のものであれば、劣化した部分のみを修理することで、長く大切にオフィスチェアを使うことができます。

(4)オフィスチェア修理のBefore / After事例

オフィスチェアの修理例①
ウェービングベルトの張替え

オフィスチェアの修理例②
オフィスチェア 背もたれ/座面の洗浄

オフィスチェアの修理例③
肘置き部分のメッキ剥がれをエアブラシで塗装

(5)オフィスチェア修理の価格表

オフィスチェア汚れ洗浄: 4,400円(税込)/脚~

※オフィスチェアのクリーニングは10脚まで同一料金(44,000円※運搬費・諸経費抜き)
※10脚以上ご希望の場合は<チェアクリーニング1脚おためし無料>

キズ補修、背もたれ張替え、ウレタン素材の交換、ウェービングベルトの交換、部品欠損(ネジ・ボルト)の修理、シリンダー/キャスターの部品交換については、状態により費用が変わりますので、お問合せください。

備考
※状態によって大きく異なります。あくまで目安ですので、最終的な見積は別途お問合せください。
※現地での修理の場合、別途出張費/作業費がかかる場合がございます。
※配送を伴う場合、別途運搬費がかかる場合がございます。
※休日作業・夜間作業などは別途費用がかかります。
※見積無料査定:写真なら無料(写真で判断しきれない場合もあるため、現地調査が必要な場合は別途費用がかかる場合がございます。)
その他、まとめて修理する場合は費用を抑えて修理できる場合がございます。

(6)オフィスチェアを直すべき?買いなおすべき?の判断基準

オフィスチェアを「直すべきか、買いなおすべきか」判断する際の基準を以下のポイントで詳細に説明します。

1. 修理箇所の確認

まずオフィスチェアのどこに不具合があるか確認します。たとえば、ネジやキャスターが壊れているだけであれば、比較的手軽に修理可能です。
見た目は大きな損傷に見えることでも、修理の専門家が診断すれば簡単に直せるものもあります。座面の弾力を回復する修理も、直しづらいを思われがちですが、比較的容易に可能です。

しかし、構造的な部分(フレームのひび割れや背もたれの破損など)がダメージを受けている場合、修理費用や手間が高くつく可能性があります。また、シリンダー部分の劣化など、回復が期待しづらいパーツもあります。まずご自身で不具合箇所を確認し、撮影などして、修理の難易度や費用の予測をプロに相談することが最初のステップです。

2. 修理費用の見積

次に、修理の費用を見積ます。先の修理費用の価格表を目安に修理に係るおおよその費用を判断します。リスタの修理サービスでは、見積査定は無料です。まずは、不具合箇所の写真などをお送りいただき、お気軽にご相談ください。

3. 代替商品の検討

修理費用に対して、候補となる代替商品がいくらで手に入るかを検討します。

中古オフィス家具:10年以内の整備済みオフィス家具が新品よりも安価で手に入ります。
レンタルオフィス家具:メンテナンスにコストをかけたくない場合は、オフィス家具をレンタルする方法もあります。会計上も資産に計上されません。
新品オフィス家具:初期費用は掛かりますが、最新の高性能設計のオフィスチェアを購入することができます。近年、SDGsなどの観点から耐久年数をより長く設計する傾向があり、より良いものを購入することができます。

コーユーレンティアグループであれば、中古品リユース事業のリスタ以外の事業部でレンタル品の調達や新品オフィス家具調達のお手伝いも可能です。

※特別なオフィスチェアの場合
高級オフィスチェアや海外メーカーチェアなどの場合、リメイクやカスタマイズで自分だけのオリジナルチェアにすることもできます。たとえば、背もたれをお気に入りの生地に張り替えることによって、オリジナルのチェアに直して、愛着をもってさらに長く使い続けることができます。愛着のあるオフィス家具は、修理する価値が高いです。

まとめ

修理すべき場合:

  • 部分的な損傷で、修理費用が新品購入よりもかなり安く抑えられる場合
  • 高級家具で修理・リメイクすることでさらに長く愛着をもって使える場合
  • サーキュラーエコノミーを意識して、環境負荷を下げたオフィスを実現したい場合

買いなおすべき場合:

  • 修理すべき箇所が、修理しにくいパーツ(シリンダーの不具合)の場合
  • 修理費用が新品購入と同じかそれ以上になる場合
  • 本体のオフィスチェアが10年以上経過しており、本体部分に限界が来ている場合

オフィスチェアはあらゆるオフィス家具の中でももっとも接触時間の長い什器です。これらの基準をもとに、コストパフォーマンスや自分たちのオフィスや働き方に合うオフィスチェアを見つけてみてください。